フグ

河豚の巻

「河豚は食いたし命は惜しし」

河豚の話に大抵でてくる諺です。「命は惜しし」のフレーズが、余りにも強烈で、「未曾有をミゾユウ」と読む麻生さんでも、「命は惜しい」とはよまないでしょう。

世間では河豚に関して「美味しい」より「怖い」方が先で、川柳・俳句・諺等「怖い」が優先しています。前に述べた様に魚の川柳で多いのが初鰹の次で「旨い」を盛り込んだものが殆んどないものの特徴のようです。私ごとき生半可な知識を持ったものが河豚の怖さを書くのは痴がましいのですが、河豚の毒について書かせて頂きます。河豚の毒の正体は「テトロドトキシン」という物質で、その強さは青酸カリの500倍~1000倍、マフグ一尾の臓物で人間なら33人が死ぬといわれています。毒の強さは河豚の種類や組織、また季節や場所によって千差万別であることがわかっていますが、他の魚と違って河豚中毒が後を絶たない魚ですから、市場人として一層の気配が大切だと思います。

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