マイワシの衰退期には鯖・鯵・太刀魚・カタクチイワシの四種の合計量が増し、マイワシの隆盛期にはその逆になるという傾向が見られます。これが「魚種の交替」と呼ばれる現象ですが、魚種の交替がなぜ起こるのかというメカニズムについては、まだ十分に解明されていません。このカギを握るのはマイワシであることは明確のようですし、マイワシの漁獲量の増減が他の魚類の盛衰に影響があることには間違いないでしょう。

確かにイワシの豊漁時代は、この先、無いと思われますが、漁獲量の増加が期待される中で、大切な食べ方が我々に課せられた責任でもあるはずです。小骨が多いとか、生臭いとか、色々な理由で“賤し”にも“弱し”にも通じると下魚扱いされてきた魚は、老化防止、学習能力の回復に良いDHA、血中コレステロールを下げるEPAが豊富に含まれている事はご存知ですね。大事に食べることを心掛けましょう。400万トンも水揚げされた1988年代の日本人に鮮魚として供給された量は400万トンの5%に満たない物でした。

「魚」という字は「有れば偏に安い」か「無ければ偏に高い」という言葉があります。市場の人間として、これからも個々の魚を大切に扱うということを忘れないようにしたいものですね。

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