当時アユは全国で獲られていたようで「風土記」には常陸(茨城県)、出雲(島根県)、肥前(佐賀県)ほかで産するとあります。「万葉集」に出てくる魚の歌30首のうち、アユを詠んだ歌が15首もあります。

奈良時代には、年魚、鮎のほか細鱗魚、阿喩、阿由、安由など様々な漢字が使われていました。平安時代の辞書の一つ「和名抄」には「春生じ、夏長じ、秋衰え、冬死す、故に年魚と名づく」とあります。
“あゆ”の語源についても様々な意見があります。貝原益軒は“あゆる”は“落ゆる”で、アユが秋には産卵のために川を下るからといい、新井白石は“あ”(小)“ゆ”(白いもの)で、白い魚であるとしました。

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