生態について
北海道西部から南九州までの日本各地と、朝鮮半島からベトナム北部に分布します。晩秋には河川の中流域で生まれ、幼時を海で過ごし、体長が4~5cmになると河口に集まり、3月の声を聞くと大群を作って川を上り始めます。

6月には上流へと上りながら水生昆虫を食べ、10cm位になります。それからは川底の石について珪藻や藍藻を餌にするので、これをこそげ取るのに都合の良い口(歯)に変化します。独特の香りはここからくると言われています。

縄張りを作って食べ物を確保する夏は、生殖前の活動期です。やがて10月、30cmにもなって中流の産卵場へと下ります。これが「落ち鮎」といわれるもので、「さび鮎」ともいわれ、この頃産卵します。孵化した稚魚が流されて海へ出ると、親の多くは生涯を終えるのです。

琵琶湖に棲む鮎は、成長しきったものでも10cm位にしかなりません。しかし、「小アユ」と呼ばれるこの鮎を、他の河川に放流すると、普通の鮎と同じ体長に生長します。

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