アオメエソ

 

魚屋さんで「アオメエソ下さい」と言っても、判らない人が多いと思う位知られていなかった?魚です。今から20年位前に世に出てきた魚で、私もそれまで見たことも、勿論、売ったこともなかった魚でした。「知る人ぞ知る」といった魚で、地元では昔から干物とか唐揚げなどに消費されていた、所謂、地産地消の「地の魚」でした。メディアの紹介とか物流の発達も重なって、各地から食材の発掘?がなされ、ブランド化にも繋がってきたものと思われます。前置きが長くなりましたが、アオメエソは東京でいう「メヒカリです。

築地で初めて見た時は、確か、小名浜から入荷した魚でした。風采の上がらない?色気のない魚と記憶しています。

メヒカリの所番地です。漢字名で青目狗母魚、英語名はgreeneyes(緑の眼)。学名でも葉緑素の目と言いますから、青緑色の大きな目が光ることが特徴です。地方名のメヒカリも、魚の特徴を捉えたいい名前です。中国でも「大眼青眼魚」の名が付けられています。

アオメエソには頭長と目窩径が違うマルアオメエソの近似種がありますが、マルアオメエソはアオメエソの北方型である可能性が強い、つまり、マルアオメエソは銚子以北の常磐物、我々が以前扱っていた福島県・原釜辺りの魚で、現在、築地に入荷している宮崎県・延岡等、相模湾以南の魚はアオメエソとなります。

いずれも水深200~600mに生息する深海魚です。7月と8月の禁漁期間を除いて底曳き網で漁獲されますが、生鮮での利用は少なく、干物や練製品の材料に使われます。市場でも小分けされて売られていますから、家のお惣菜に、鮮度の良い物は山葵醤油でお刺身に、天ぷらも唐揚げも、一夜干も旨いですよ。

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