メヌケの生態
さて、メヌケの生態をお話ししましょう。
メヌケは銚子以北の太平洋側、千鳥列島沖に分布し、生息水深は200~1300mですが、400~800mの岩礁地帯に多く見られる深海魚で、底曳網・延縄・刺網などで漁獲されます。
メヌケ類の中では最も大きくなり、体長60cm以上になります。全体に鮮やかな赤色、体側上方に大きい黒色斑「はん」があるものが多いのです。
とはいえ、メヌケ類は、見た目が非常に似通っていて見分けがつきにくいのが特徴です。
とげや斑紋、色などで見分けますが、アコウダイは頭部の背面によく発達したとげが、眼の下には2本の鋭いとげがあります。
また胸鰭の上半部後端が丸く、尾鰭の後縁がわずかに切れ込んでいるのが特徴と言われています。
メヌケは白身で脂がのっています。
新鮮なものは刺身で、骨・アラはコクのある出汁が取れるので鍋物がいいです。
頭・カマの肉質は逸品です。
現在では高級魚ですが、大正時代にはキチジ(キンキ)と同様に肥料の魚かすにされていた記録もあります。
確か昭和48年頃だと思います。水銀・PBC問題で、あらゆる水産物価格が暴露したことがありました。
全ての魚が売れなかった大事件でした。
中でも深海魚のメヌケは対象の魚に上ったことを虚覚えに覚えています。
メヌケの標準和名はオオサガ。これは三陸で深海性の赤いカサゴを「さが」といい、オオサガは「大きなサガ」の意味と言われていますが、サガはサンコウメヌケのことだとも言われているようです。
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