お相撲さんにとって1年最後の11月の九州場所での楽しみが、アラのちゃんこ鍋だと聞いたことがあります。アラは大変美味な上に、最近は漁獲量が減ったため高級魚に位置付けられ、東日本では殆ど見かけられなくなりました。しかし以前は漁船が延縄、底曳網で漁獲していた程で、全国どこでも獲れ、最も下品な魚を言われ、江戸時代には庶民の魚として、今のイワシほど市中に出回っていたことでしょう。

異名をオオスズキと呼ばれていた様に、体型はスズキに似て、大阪、和歌山はホタ、神奈川はキツネ、山陰はイカケ、長崎ではスケソウと呼ばれ、スケトウダラの親類と間違えられたようです。とはいえ、アラのちゃんこ鍋も然り、このアラの名を使った九州でいうアラ料理とは、主にクエなどの大型のハタ科の魚のことを指すので、話がややこしくなります。

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