馬鹿貝について

内湾で潮干狩りをすると、浅蜊の生息域と重なっているため、水深10m前後の砂底に棲んでいて、浅蜊よりデリケートで鮮度が落ちやすく、砂抜きに手間がかかり、更に殻がもろいため、剥くのに一苦労する貝です。

市場では、むき身や貝柱と足に分けられたものが売られ、殻付きの貝の入荷は非常に少ないようです。基本的に足を「青柳」「舌切り」と呼びますが、バカガイという名の語呂の悪さからか、貝全体を「青柳」と呼ぶことも多いです。

標準和名であるバカガイにも由来が数あって、水揚げされた後に足をダラリと垂らしている姿から付いたとする説【馬鹿貝】、殻が薄く壊れやすいことから付いた説【破家貝】、名産地だった馬加(現在の千葉市幕張)を音読みにした説【馬加貝】等、因みに別名の「青柳」は昔、千葉県青柳村(現市原市)の海岸でたくさん獲れたからの命名です。

バカガイという差別的な和名が付いているが、古くはミナトガイという優雅な名前があって、貝柱は特に美味で、1個の貝から大星・小星と大小2個が取れ、天ぷらにもよし、舌と共に酢の物、すし種にも欠かせませんでした。

熱々蕎麦に乗せれば、江戸前の「アラレそば」になります。

旬は産卵前の春、冬も、いつでも美味しい

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