次に漁法ですが、9種類程あって、その中ではイカ釣り漁船による漁獲量が最も多いようです。魚灯は、昔は松明でしたが、今は一灯で家庭用電球約4000個分になるメタルハイランドを舟一杯にともします。また水中灯にも使いますが、最近ではこれらをLEDにして省エネを図るようになってきました。

次の目利きと選び方については、釈迦に説法、孔子に悟道の感もなくはないのですが、少し。活けのイカを選ぶポイントとしては、表皮に生体反応があること、スルメイカでは「イカの提灯」といいます。全体に透明感のあること、吸盤に触ると吸い付くこと、目が澄んだ黒色をしていて、周囲が緑色に発色していること等です。

さて、本題のアオリイカの話に入りましょう。冒頭で書きました通り、万人が認めるイカの王様です。体長は40㎝程度で、胴の幅は12㎝~13㎝。ヒレは胴の全長に及び楕円形をしています。一見すると、同じようなヒレを持つコウイカの仲間に似ていますが、コウイカ類の特徴の石灰質の甲がアオリイカにはありません。

スルメイカやヤリイカ等と同じ、強靭で薄い透明な軟甲を背中に持っています。表面に斑紋があり、その形が芭蕉の葉に似ていることからバショウイカとも言い、生きていると時の透明な状態からミズイカとも言います。

因みに、このイカで作ったスルメをミズスルメと言って、高値で取引されています。

大変失礼しました。申し遅れましたが、わたくし、標準和名は障泥烏賊です。胴全体を覆う長方形のヒレが障泥(馬の両腹を覆う泥除け用の馬具)に似ていることから付けられた名です。

アオリイカのシュ旬は、産卵のために内海の港湾に近づいてくる夏で、春から晩秋に市場に出回ります。身は堅いのですが肉は厚く甘いので、歯の弱い私の場合、旨味を噛みしめて飲み込んでいます。

追伸。市場に入荷しているイカ類の寿命は1年です。

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