煮魚

煮魚が似合う季節になってきました。煮魚にする魚は、白身魚、赤身魚、青背の魚と何でも構いません。一尾魚の尾頭付きでも、切り身でも。

10月初め、一尾魚の煮付の機会に恵まれました。赤鯥の一年魚です。出場所は鳥取といいますから、浜田が産地かと思います。

私の店では、鯵でも鯖でも箱単位では滅多に売れない今日、赤鯥のように変わった魚は、何軒かのお店に小分けにされていきます。体長10㎝位の一年魚です。1尾100g位の赤鯥を4尾御数にと買いました。三枚におろして、刺身か握り寿司にしようか、迷った挙句、煮付に。

赤鯥はウロコを引き、内臓をとり、胸鰭を残して素頭で切り落とします。表身に一本、飾り包丁を入れ、身を返して一本軽く包丁目を入れます。煮汁は、水・醤油・味醂・砂糖で、先は入れません。胸鰭を付けたままの方が見映えもいいし、私の場合、「鯛の鯛(肩甲骨と烏甲骨)」を取る楽しみが残るためでもあります。夫婦でも4尾、骨は8ケとれるはずでしたが、何故か5ケしか残りませんでした。

ここで我流ではありますが魚の煮方を紹介します。白身の魚はくせがなく、淡泊で、味わいがあるので、酒を入れずに味醂を活用すれば美味しく、魚に照りも出ます。魚の持ち味を活かすために、あっさりした味で揚げ煮や沢煮もいいでしょう。

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