焼き方

糧では焼き網で焼くか、グリルで焼くか、鉄灸(鉄弓とも書く)を使って焼くか。鉄灸とは熱源から離して魚を焼く台で、金網に魚を乗せて焼くと、炭火で焼くのに近い状態に焼き上がります。以前はどこの家庭にもあったのですが。

魚は、お皿に盛りつけた時に表になる側から焼きます。こげ目を目安に(これは好みもあると思いますが)ちょうどよい焼き色まで焼きます。

焼き加減は表身四割、裏身六割といいます。

グリルの場合は、熱源が上にあるので、焼いているうちに魚から出る脂肪が下身にまわって汚れるのを防ぐため、表になる方を上にして焼きます。白身の魚は少し手前で焼き上げ、鯖・鰯・秋刀魚などの青背の魚は、火が十分通るように焼きます。川魚は更に火をよく通した方がいいでしょう。

ちょっと言葉が悪くて申し訳ありませんが、「魚は大名に、餅は乞食に焼かせよ」という表現があります。魚を焼く時は、何回も引っ繰り返してはいけません、ということを表しています。

実際に焼くときは、まず金網を前もって焼いておきます。最初は強火にして表面を焦がすことによって、たんぱく質が固まり、肉から旨味や栄養成分を含んだ汁の流出を防ぐことができます。それから少し火を弱め、ゆっくり焼き上げるのがコツです。火を弱めることを怠ると、表面ばかりが焦げて内部に火が通らないことがあります。

逆に温度が十分高くないと、焼き上がるまで時間がかかり、旨味が失われて味も美味しくなくなります。

上手に焼き上げるには、やはり火加減が大事です。

 

ここでお願いです。

今回の「魚の話をしましょう」をもって筆を擱くこととしました。八木節の詞をお借りして

もっとこの先読みたいけれど、上手で長いはまたよけれども、下手で長いは御座の邪魔よ。

止めろ止めろの声なきうちに、ここらあたりで段切りまするか、オオイサエー

長い間、ありがとうございました。

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