鱈列伝

 

木枯らしが吹き始め、立冬を過ぎるともう冬はそこ。今年はうちのかあちゃんの顔でアキがこない(秋がこないで)、すぐに冬が来そうな寒さです。冬の食卓に欠かせない魚、鱈の付く魚を並べてみました。

マダラ

一般にタラといえばマダラを指しますが、日本近海にはスケトウダラとコマイの三種しかいません。タラは冬が産卵期のためオスは精巣(白子)をメスは卵巣(タラコ)を持っていて、白子は助宗よりも真鱈の方が、タラコは助宗のもののほうが商品価値が高いです。タラ類と他の魚類と異なる特徴は、尻鰭が二つに分かれていることと、下顎にヒゲが一本あることです。旨い食べ方は、魚偏に雪と書くから勿論ちり鍋、昆布締めも。デンブ、お尻じゃありません。田麩と書きます。ちらし寿司にのっている桃色の甘いやつ、鱈で作ります。

スケトウダラ

1960年代に冷凍すり身が開発され、練製品の原料に欠かせない魚でもあり、親よりも卵のタラコに人気のある親孝行の魚です。すり身には“surimi”と書いて英語圏で通用します。夏場の助宗を筒切りにして煮付けて食べてみて、旨いから。

コマイ

冬、氷の下で産卵し、氷下魚と書いてコマイと読みます。30cm位の魚で干物で入荷します。とても硬い。

ブワダラ

マダラを三枚におろして甘塩にしたもので、何故か宮城県・塩竈から“塩鱈フィレ”の商標で入荷しています。ブワダラの名は身がブワブワしているからの説が有力です。

ヒゲダラ

アシロ目アシロ科の魚で本名ヨロイイタチウオ(鎧鼬魚)ちり鍋が旨い魚です。

チゴダラ

タラ目チゴダラ科の魚でドンコの名で入荷しています。眼がやゝ大きいことと体色を除いてエゾイソアイナメとよく似ています。同じドンコと呼ばれて入荷されます。

ギンダラ

タラとは無縁の魚でアイナメ類の近縁です。北海道南部以北・ベーリング海から南カリフォルニアにかけて分布しています。

棒ダラ

干鱈の一種です。マダラの内臓と背骨を取り除いて腹身と背身に分けて何日も天日で干し、寒ざらしにしたもので、海老芋と炊き合わせた「芋棒」は京都の名物料理です。

干鱈

マダラの頭を取って、開いて本乾しにしたものです。天日でここまで乾燥させるには、約三週間かかると言われています。夏場の惣菜としては昔は塩鮭と人気を二分していましたが、最近では食べたことのない人の方が多いようです。切身の干鱈を焼いてほぐします。ザルに入れて熱湯をかけて柔らかくします。これをダシと醤油と酒を濃い目に合わせたタップリのタレに漬け込みます。冷蔵庫で寝かせると更に味がしまります。干鱈はベッコウ色をした身の厚い物を選んでください。

タラコは子供だから除きました。まだタラの名の付く魚が有っタラ教えてください。