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フグ(2014年3月号)

河豚

4月19日、第59回ふぐ供養祭が築地市場内・特種物低温卸売場に於いて行われます。供養祭も来年は還暦を迎える由緒あるお祭で、毎年盛大に営まれる恒例の行事となっています。

河豚の旬が冬とされながら、桜の咲く4月にと思われますが、河豚供養は、河豚の食用時期が終る4月末頃、河豚の本場、下関市の南風泊市場で行われます。

築地市場でも、ふぐ組合の主催による追善供養が人間と同様の法要で営まれます。その後、墨田川への河豚の放流が行われ、供養のあと魚河岸俳句会の句会が恒例となっていました。

しかし、尾村馬人会長が亡くなって以来、供養後の句会の開催が困難となった今、供養の前後に句会を開き、河豚に感謝の気持ちをお供えしています。

今月の魚の話は、河豚供養祭を前に、河豚のほんの一面、俳句を供養のつもりで紹介させていただきます。

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フグ(2008年12月号)

フグ

河豚の巻

「河豚は食いたし命は惜しし」

河豚の話に大抵でてくる諺です。「命は惜しし」のフレーズが、余りにも強烈で、「未曾有をミゾユウ」と読む麻生さんでも、「命は惜しい」とはよまないでしょう。

世間では河豚に関して「美味しい」より「怖い」方が先で、川柳・俳句・諺等「怖い」が優先しています。前に述べた様に魚の川柳で多いのが初鰹の次で「旨い」を盛り込んだものが殆んどないものの特徴のようです。私ごとき生半可な知識を持ったものが河豚の怖さを書くのは痴がましいのですが、河豚の毒について書かせて頂きます。河豚の毒の正体は「テトロドトキシン」という物質で、その強さは青酸カリの500倍~1000倍、マフグ一尾の臓物で人間なら33人が死ぬといわれています。毒の強さは河豚の種類や組織、また季節や場所によって千差万別であることがわかっていますが、他の魚と違って河豚中毒が後を絶たない魚ですから、市場人として一層の気配が大切だと思います。

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