鯛の鯛

「タイのタイ」のような乾燥した骨の作り方には、水や温水に漬ける、煮たり熱湯をかけたりする、薬品を使うなど様々な方法がありますが、ここでは、排水パイプ用洗浄剤を使う簡単な方法を紹介します。


≪用意するもの≫

排水パイプ用洗浄液(パイプスルー)、容器(小さいバケツ)、ピンセット(または、竹ぐし、つまうようじ、歯ブラシなど)、ビニール手袋。

≪作り方≫

①魚(生、煮付け、焼魚など)の胸ビレの部分(かま)をはずす。ピンセットでていねいに肉をとる。

②「タイのタイ」(肩胛骨と鳥口骨)をはずす。2つの骨がはずれないように注意。他の骨がついていてもかまいません。後ではずせます。

③容器に30~40℃位のお湯を入れ、パイプスルーを溶かします。分量の目安は、骨の大きさが5cm位なら、600ccのお湯にパイプスルー10g位。骨を入れ、少し泡立つ程度です。

④簡単に水洗いして、新しいパイプスルーを液に漬けます。きれいになるまで、③と④を繰り返します。あまり何度も繰り返すと2つの骨ははずれてしまうので、1、2回程度。

⑤きれいになった後、パイプスルーの液から骨を取り出して、容器の中でよく水洗いします。流水なら2~3時間(少しづつ)、流水でなければ時々水を換えながら半日位。

⑥水洗いが終わったら、ペーパータオルで水分をふき取ります。

⑦日陰で完全に乾燥させて完成です。

⑧プラスチック容器に入れ、防虫剤と共に保存します。


≪注意事項≫

・排水パイプ用洗剤を使うときには必ずビニール手袋で。

・もし2つの骨がはずれたら、⑦のあと接着剤でくっつけます。

・排水パイプ用洗剤を使うと魚の臭いがとれると同時に漂白と除菌もできます。

・この方法は魚以外の動物の骨にも応用できます。


【参考資料】

伊藤恵夫氏「排水パイプ用洗剤を利用した小動物骨格標本作成法」化石研究会会誌

おさかな普及センター資料館「おさかな情報」