初鰹 その壱
毎度!宮内一郎です。
カツオ漁は、ほぼ半年間という長丁場にわたるため、その旬を決めるのは難しいのです・・・・・。
太平洋を広く回遊しているカツオですが、最初に2月頃九州南部に現れるのは1.5~2㎏の子カツオで、尾部が太く徳利の形を思わせるところから 「とっくりかつお」と言われます。
その後3月中旬頃、和歌山県沖に現われるのも、まだ脂ののらないとっくりかつおです。
さらに鎌倉沖に現われる頃になるとカタクチイワシを食べて育った3 ~4㎏の大きさに成長します。徳川時代の江戸で初鰹として人気を集め、考えも及ばない高値を呼んだのがこの鰹です。
江戸では、鎌倉から伊豆にかけての海で獲れたカツオを、その日のうちに売りさばきました。サバと同様に、カツオもいたみの早い魚です。冷蔵技術もなく保冷方法も水を替えるくらいしか、知らない当時にあっては、ただ早く届けることが最善の方法だったのです。