Category: 春の魚の話をしましょう (page 1 of 5)

初鰹 その壱

初鰹 その壱

毎度!宮内一郎です。

カツオ漁は、ほぼ半年間という長丁場にわたるため、その旬を決めるのは難しいのです・・・・・。

太平洋を広く回遊しているカツオですが、最初に2月頃九州南部に現れるのは1.5~2㎏の子カツオで、尾部が太く徳利の形を思わせるところから 「とっくりかつお」と言われます。

その後3月中旬頃、和歌山県沖に現われるのも、まだ脂ののらないとっくりかつおです。

さらに鎌倉沖に現われる頃になるとカタクチイワシを食べて育った3 ~4㎏の大きさに成長します。徳川時代の江戸で初鰹として人気を集め、考えも及ばない高値を呼んだのがこの鰹です。

江戸では、鎌倉から伊豆にかけての海で獲れたカツオを、その日のうちに売りさばきました。サバと同様に、カツオもいたみの早い魚です。冷蔵技術もなく保冷方法も水を替えるくらいしか、知らない当時にあっては、ただ早く届けることが最善の方法だったのです。

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バカガイとアカガイ(2016年4月号)

馬鹿貝と赤貝

クイズです。

春は21ケ、夏と冬を足すと7、秋は0、何の数字でしょう。

答えは、新日本大歳時記による「貝」の季語の数です。春にその数が集中しているのは、“貝は春に食べなさい”という天の声かも知れません。

今月は馬鹿貝と赤貝の話をしましょう。

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ホウボウ(2016年3月号)

魴鮄

「どうだい、景気は?」

「ご覧の通りさ、芸者の頭だ(ひまだ)」

駄洒落というか、言葉遊びというか、若い人には「ナニ、コレ」と言われそうな、今でいうオヤジ・ギャグかも。

芸者などが結う髪型の一つを「島田」といいます。島田を暇だと掛けた駄洒落です。

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ガザミ(2015年5月)

蝤蛑

私と渡り蟹の出会いは千葉県銚子市の外川でした。

小学校3年の夏、夏休みが始まるとすぐ、父親に連れられて父の故郷・外川へ行きました。

家は外川港から犬若海水浴への道に面し、裏はすぐ太平洋の海原が広がっていて、祖母が一人で駄菓子屋を営んでいました。店の手伝いに私を選んで寄こしたのでしょう。

駄菓子屋と言っても、子供の買う菓子や飴玉の他、かき氷、茹でた玉蜀黍、蒸した薩摩芋、それに渡り蟹も茹でて売っていたのです。

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ワカメ(2015年4月号)

ワカメ

春は「ワカメ」が旬を迎えます。ワカメは春を告げる代表的な海藻です。褐藻類のひとつで固い荒布とは対照的なやさしさから、古くは和布、メノハなどと呼ばれてきましたが、春の若芽がおいしく、又旬なことからいつのまにかワカメが呼び名になったようです。

さて、みなさんは「海藻」と「海草」の違いがお分かりでしょうか?

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