クロダイ・イシダイ

魚の話を書く段になって、秋口に旨い魚は何かないかと、咄嗟に思い付いたのがクロダイでした。それに、イシダイもあったなと。思い返せば、クロダイも、イシダイも書いた覚えがなかったので、早速紙面に載ってもらいます。

そうい言えば、両タイとも俳句歳時記上では夏の季語で、昔から親しまれている魚です。話は序に、秋口という言葉も秋の季語で、丁度今頃、秋のはじめを言います。

クロダイ

タイという名の付く魚は日本の周辺だけでも300種類以上存在すると言われています。しかし、分類上タイ科というグループにまとめられるのは、マダイ属、チダイ属などの仲間に限られます。タイ科の魚は世界に約100種いますが、そのうち日本近海には13種類が生息するに過ぎません。今回誌上に載るクロダイはその内の1種で、本物のタイ科の魚です。

体形はマダイに似た、いわゆるタイ型で、体色は銀灰色。クロダイの名はそこから付けられました。幼魚期には銀黒色の明瞭な横縞が6~7本ありますが、成長とともに薄くなっていきます。

クロダイは性転換する魚で、幼魚期から体調20cmの若魚期(4年魚)にかけて雌雄同体として過ごすという特徴があります。5年以降になると、多くは雌に性分化します。

分布は、琉球列島を除いた北海道以南、朝鮮半島南部や台湾、中国北中部沿岸域に限られます。

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