しかし、セリ場での人気に比べて当時から小売店での人気は変わらず、ファンが偏る傾向にあるようです。魚に関する本、どれを読んでも食べ方は「刺身」、「焼く」、「フライ」と素っ気なく書かれているのを見ると悲しくなります。トビウオがかわいそうでなりません。「たたき」で食べさせてください。
ここで脇道にそれます。私の子供の頃に食べた魚の記憶は、鮪の「ネギマ」とトビ（トビウオとはいわなかった）の「タタキ」、鰯の「丸干し」と「つみれ」、「ヒコイワシの酢入り」、「金目鯛の煮付け」、金目鯛の身を食べた覚えがないのですが、煮汁を温か御飯にかけて3杯も4杯もおかわりした覚えがあります。お刺身とか、お寿司などの記憶がない、なんとも貧しい食生活だったと今振り返っています。鰯の「つみれ」など擂鉢の縁を押さえてさせられたのは、この頃でした。