名前の作り方

前月565号に登場いただいた阿部宗明先生の紹介をいたしませんでしたので大変失礼を申し上げました。改めて現在の「おさかな普及センター資料館長」の坂本一男先生のお話と、おさかな普及センター資料館・年報16号(1996年度)他から阿部先生の紹介をさせていただきます。

築地市場の一隅に「おさかな普及センター」が開設されたのは昭和56年(1981年)、同時に阿部先生を同資料館の名誉館長としてお迎えしました。日本の代表的な魚類研究者の1人として、世界的にも知名度が高い先生で、1996年8月に逝去されるまでの51年間、築地での魚類学、魚食に関する啓蒙・普及活動にも熱心で、研究の対象の魚も大変幅広く、特にフグ類やトビウオ類の研究は有名です。

東卸組合の広報としても大変お世話になっていて、組合が発行していた「季刊・魚と生活」の対談コーナー「この人と語ろう」には3回もでていた経緯がある先生です。現館長の坂本先生にも組合広報として親子魚河岸教室や魚市場セミナー等に出演を願って魚食の啓蒙・普及に尽力くださっているところです。私も長年たずさわった関係で、体力の続く限り魚食の啓蒙に力を注ぎたいと思っています。

前号でお約束した”作り方”について魚の名前とは意味が違いますが、私の50年前の浅学と、おさかなマイスターでの講義の一部から、DHA(ドコサヘキサエン酸)等の名前の成り立ちをお話しします。

私たちが毎日食べている物には、必ず脂肪が含まれています。脂肪には、食物性と動物性の2つがありますが、どちらも脂肪酸とグリセリンとから成り立っています。脂肪酸のうち、二重結合が1個だけのものを一価不飽和脂肪酸、炭素の二重結合が二つ以上あるものを高度不飽和脂肪酸といいます。

高度不飽脂肪酸の場合は、さらにこの構造の違いによって、リノール酸とαーリノレン酸、EPA(エイコサペンタエン酸)等とDHAとに、分かれます。

DHA、EPAと、なんとなく教えられた言葉が名前として口から出てしまいますが、一つ一つに意味があって構成されているのです。ギリシャ語から出た言葉で横書きにしました。

エイコサとは20、ドコサとは22を示すラテン語でエンは二重結合を指し、ペンタは5、ヘキサは6です。

 

南米の国名です(上下をつなげてみてください)。

店で産地表示として私がつくりました。

毛利太笑(モーリタニア)

諸対姑(モロッコ)

よかったら使ってください。