ウナギとマアナゴの相違点です。幼稚園児でも分かると言わずにちょっと聞いてください。

魚の形の紹介の通り、ウナギ形の特徴は体の長さにあります。ウナギがウナギらしくくねくねと泳ぐためには、たくさんの背骨が必要です。タイやスズキの仲間の背骨の数は普通24~35位ですが、ウナギの数は100以上あります。

マアナゴは見かけはウナギによく似ていますが、体の中央を走る白い点列があることで区別できます。この白い点列を「棹ばかり」の目盛りに見立てて「はかりめ」と築地でも呼んでいました。マアナゴは体にウナギと違ってウロコがなく、側線のウロコが残っているだけです。

ウナギもアマナゴも、長い間、その産卵場が不明でした。ところが2006年、東京から約2300km離れたグアム島近くの海山で産卵することが日本の研究グループにより明らかにされました。マアナゴの産卵期は春から夏ですが、産卵場はまだよくわかっていません。

類似点もあるんですよ。細長い魚というだけでなく、ウナギやハモと同じように、透明で、柳の葉のようなレプトケパルスと呼ばれる仔魚期を経て成長します。はるかに遠い海で生まれた仔魚たちは、自分たちの生息場所へ戻ってくるために海流を利用しますが、その時役立つのがその体形です。薄っぺらな体(葉形仔魚とも言います)は、潮の流れを捉え、薄い筋肉の内側にあるゼリー質は浮力を稼ぐためと考えられています。そして沿岸に辿り着いた仔魚たちは変態(扁平なレプトケパルスが円筒形のシラス型になること)し、ウナギやマアナゴとして生活を始めます。レプトケパルスの分類は大変難しいのですが、殆どがマアナゴのようです。これが「のれそれ」です。のれそれがマアナゴの仔魚とわかったのは、比較的新しいことです。先出のレプトケパルスという呼び名も、仔魚と分からず新種としてつけられた学名から来ています。「のれそれ」という呼び名は、もともと高知県で使われていたものです。

ハモとスズハモの違いです。

両種の分布域は大幅に重なっていて、産地で種を選別するのは困難のようです。最も明瞭な識別点は、目の後ろから肛門までの側線孔数で、ハモは40~47、スズハモは35~39で、ハモの方がやや多いのが特徴です。

のれそれと呼ばれる仔魚の中には、鰻・穴子・鱧の他に、ウツボがあります。以前、タチウオやギンポの幼魚がのれそれではないかとの質問がありましたが、タチウオやギンポの幼魚は、のれそれと同じ大きさの時には成魚と同じ体色・体形をしています。

さて、来月も引き続き細長い魚の登場です!ヤガラ・タチウオ…お楽しみに。

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