普通、雌雄でペアとなって産卵する魚(鮭・カワハギ・カサゴなど)は外見上の雌雄の差が明瞭で、群れで産卵するもの(マイワシ・マサバ・マアジなど)は雌雄差がありません。

秋刀魚も外見から雌雄の差を識別することはできませんが、ある本には下あごの先端が「雄はオリーブ色で丸みを帯び、雌は黄色で細くとがっている」とあり、おさかな普及センター資料館で解剖・検査の結果、下あごの先端の色は雌雄と無関係であることが判っています。

私達の身近に見る魚で外見で区別できる魚には

・コブダイ(雄の頭が迫り出す)

・シイラ(雄の頭が迫り出す)

・ベラ(キュウセン・雄の体色は青緑色、雌は赤朱色)

・マダイ(雄の体が黒ずむ。額の部分がこぶの様に出張っているのが雄・曲線的でやさしいのが雌)

・ブダイ(雄の体色が緑がかる、雌は赤)

このほかに表では判らず、裏側に卵を持っているかで雄と判る鰈類もいます。

外見で区別できない魚には、抱卵の有無で価値が大きく変わる魚がいます。

マダラです。魚体を傷つけずに、雌雄判別する作業は産地でも行われていますが、市場に選別品として入荷された段階での間違いが偶にあります。大量の魚を一匹ずつ選り分けるのですから、大変な技術・作業です。現場を見たわけではありませんが、私達の知識ではマダラの肛門に指を入れて、指先の感覚だけで真子と白子を選り分けます。「万が一」にも間違えれば利益に繋がるものですから真剣です。以前、大量に無選別の魚が入荷していたときを懐かしく思い出しています。

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