現在ではビニールの袋に入れられて1kg単位で産地から送られてきますが、当時は一斗缶に入れられて市場へ。それを店で盤台にあけて小分けするわけですが、どうしても鮮度の関係で海鼠腸が出てしまうものがあり、それを親父が旨そうに啜っていたのを見様見真似で啜ったのが事の始まりでした。

昔作った愚作です。

“海鼠腸を啜る仕草や 父に似て”

ナマコはウニと同じ棘皮動物で、海の鼠と書くのは、夜になると海底を動き回り砂の中の微生物や海藻の破片を食べる習慣から来ているようです。そのため、真海鼠の摂餌活動は底質を浄化していることにもなります。冬(水温10℃以下)に活動が活発で、夏に水温が25℃以上になると、60cm以上の穴を掘ってもぐり、仮眠状態に入ります。

一般に、内湾の砂泥低にすむものは青緑色や黒みを帯びた色をしていてアオコ・クロコと呼ばれ、外洋の砂礫底などにすむ赤褐色のものはアカコと呼ばれます。

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