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アオメエソ(2013年2月)

アオメエソ

 

魚屋さんで「アオメエソ下さい」と言っても、判らない人が多いと思う位知られていなかった?魚です。今から20年位前に世に出てきた魚で、私もそれまで見たことも、勿論、売ったこともなかった魚でした。「知る人ぞ知る」といった魚で、地元では昔から干物とか唐揚げなどに消費されていた、所謂、地産地消の「地の魚」でした。メディアの紹介とか物流の発達も重なって、各地から食材の発掘?がなされ、ブランド化にも繋がってきたものと思われます。前置きが長くなりましたが、アオメエソは東京でいう「メヒカリです。

築地で初めて見た時は、確か、小名浜から入荷した魚でした。風采の上がらない?色気のない魚と記憶しています。

メヒカリの所番地です。漢字名で青目狗母魚、英語名はgreeneyes(緑の眼)。学名でも葉緑素の目と言いますから、青緑色の大きな目が光ることが特徴です。地方名のメヒカリも、魚の特徴を捉えたいい名前です。中国でも「大眼青眼魚」の名が付けられています。

アオメエソには頭長と目窩径が違うマルアオメエソの近似種がありますが、マルアオメエソはアオメエソの北方型である可能性が強い、つまり、マルアオメエソは銚子以北の常磐物、我々が以前扱っていた福島県・原釜辺りの魚で、現在、築地に入荷している宮崎県・延岡等、相模湾以南の魚はアオメエソとなります。

いずれも水深200~600mに生息する深海魚です。7月と8月の禁漁期間を除いて底曳き網で漁獲されますが、生鮮での利用は少なく、干物や練製品の材料に使われます。市場でも小分けされて売られていますから、家のお惣菜に、鮮度の良い物は山葵醤油でお刺身に、天ぷらも唐揚げも、一夜干も旨いですよ。

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アイナメ(2010年5月号)

愛魚女の巻

 

漢字で鮎並とも当て字に書きますが、鮎並とは“アユナミに旨い”ということでしょうか。見た目では大して似てないし、味の点では鮎よりも上と私は思いますが。

名前の愛魚女の由来はアユのように縄張りを持っている事で「鮎並」が転訛したともいわれますが、愛魚女とか、「シンジョ」「寝所」とか「ネウ」「寝魚」とかの方言は、意味深な言葉ですが、アイナメの習性を実によく現していてると思います。

北海道から九州、ほとんど日本各地に分布している魚で、海藻の中や岩礁地帯に棲んでいて、しかも岩礁の間にじっと隠れている魚です。この仕草が「寝魚」の語源と思われます。

釣りの対象漁として人気の高い魚で、船釣り、投げ釣り、堤防釣りと色々な釣り方で楽しむことができますが、私は40年程前に義父に連れられて三浦海岸へよく通った思い出があります。二人っきりの「仕立て」で、義父にいただいた「東作」の竿で五目釣りを楽しんだものでした。

特に愛魚女釣りは、アイナメ独特の釣り方で人気が高かったブラクリ仕掛けで、ナツメ型のオモリに短いハリスと丸セイゴバリが付いたもので、オモリに塗られた赤い色がアイナメを誘うといわれ、この仕掛けが底に着く際にアタる事が多く、頭を横に振る独特のブルブルッというアタリに、病みつきになってしまいました。この釣りは、早合わせが禁物で、私の性分に合っていたのかもしれません。

愛魚女が旨い季節になりましたね。春先から初夏にかけてが旬といわれていますが、前述の通り日本列島各地で獲れる魚ですので、地方名、方言の多い事で有名です。北海道では「アブラコ」、関西では「アブラメ」、東北では「ネウオ」、長崎辺りでは「ヤスリ」等。

食べ方としては、今の時期(夏前)洗いが一番でしょうが、刺身、煮付け、焼き物、唐揚げなど何にしても旨い魚です。特に火を使う料理、焼く、煮る、揚げる料理は調味料の配合など味付で美味しさに大きく差が付く経験を必要とする仕事ですから、台所を預る主夫(夫)は、子供達にも味を伝える責任を!

アイナメは、カサゴ目アイナメ科の魚で体色は淡褐色に見えるものが多いのですが、黄褐色、暗緑色など様々で、生息場所によって体色が異なります。アイナメ科の魚に「」がいます。漢字で書くと美しい魚に見えますが、生の魚を見ると、ちょっとガッカリします。干物にすると人気抜群、ダブルハット!(二度ビックリ)。愛魚女とは型が良く似ています。アイナメの尾ビレは垂直に切れていて、ホッケの後縁は二又に深く切れ込んでいます。

シマボッケとかトラボッケと呼ばれている干物の本名は「キタノホッケ」です。美味しい干物には、やっぱり白いご飯がよく合いますね。