初鰹の句

「目には青葉山ほととぎす初鰹 素堂」

江戸時代に詠まれた山口素堂の句が、現代でも生き生きと思い浮かぶ様な、初鰹の言葉がぴったりの季節になりました。

初荷と初鰹が築地の市場で使われる『初』の字のつく言葉と書きました。以前、秋刀魚にも初の字をつけた時がありましたが、「ひね」(広辞苑には前年以前にとれた殻物とあります)が出て新旧を区別するために、今年とれた秋刀魚に『新』を付けて新秋刀魚と呼ぶ様になりました。漁期の短い秋刀魚に比べて鰹の場合、一年中どこからでも入荷する魚河岸で、初鰹の名付けをするとすれば、時は五月、目には青葉の頃、漁場は「房州か、相模の」これが初鰹の旬です。

固定ページ: 1 2 3