鯖と助子の話

10月半ば、店から900gの八戸の鯖を一本買って帰りました。2枚におろして6つに切り、2切れを味噌煮に、2切れを塩焼きに、2切れで船場汁を作っていただきました。旬の秋鯖で何にしても旨い魚ですが、特に船場汁がことのほかで、鯖の味を堪能しました。2人きりの生活が長く続いて、食事もお米のご飯が毎晩一回で、朝はパン、昼は麺類と決められているので、魚を食べる回数はおのずと少なくなります。もう一度ありました。休日の朝はおかゆで干物を必ず食べます。

同じ日に偶然、三枝の養殖のサバ、刺身用に売っていたものを残ったので二本もらって帰りました。これは小さく1本は400グラムしかなかったのですが、脂がのっていてうまそうでした。1本は3枚におろしてしめ鯖に、1本 は二枚におろして干物に、両方共、冷凍にして後日いただきましたが、旨かったです。

鯖と前後して、綺麗な助子が店にあったので、500gのパック一つを買いました。

市場で助子と呼んでいますが、ご存知の通りスケトウだはの卵巣で、塩漬けにした「たらこ」や唐辛子等の調味液に漬け込んだ「辛子めんたいこ」は有名です。流通している「タラコ」の殆どがロシア・アメリカ・中国・韓国からの輸入品ですが、生の鱈子は国産です。

助宗鱈又は介党鱈と書かれたことから助宗の子?で助子と市場では呼ばれたのでしょう。私が買った助子は勿論「含め煮」にしていただきました。大部分冷凍にしておいたのですが、先日、娘が一家4人で来て全部なくなりました。孫は男の子ですが「旨い」といってくれました。

テレビの食べ物の番組で女性アナウンサーが「ウマイ」といったのが気になって、この稿を書き始めたのですがら女の子でしたら「おいしい」といってほしかったのは私だけでしょうか。「ヤバイ」とか「ヤベー」等、女の子が旨いに通じる言葉に変化しているのを、昔は、その道の人が使っていたのにと思うのは年寄りだけでしょうか。

日本語が乱れているのか変化しているのか、いずれにしても、聞きづらいし、聞いていて不快に思います。ついでに言わせてもらうと、「が行鼻濁音」、「半信半疑」、「ら抜き言葉」、私が教わった料理の先生は「この魚は生でタベレル」と。テレビの画面の下に「ら」を抜かないテロップが出る親切?等、テレビから入る知識が多いだけに不愉快な思いをしています。

私の考えが正しいとは言いませんが、日本語に「カタカナ」が増えているのも不快の原因の1つで、この嫌な流れに乗るしかないのかな。

「正しい日本語」とか「美しい日本語」が廃れそうな現在、「気持ち良い日本語」「心地よい日本語」の中で生活したいものですね。