出世魚

 

毎度!宮内一郎です。

月刊東卸の寄稿は2016年12月号をもって終了いたしました。長年にわたりありがとうございました。

本サイトの方で引き続き「魚の話をしましょう」を続けたいと思いますので、これからも宜しくお願いいたします。

 

今回は出世魚の話をしましょう。

成長にともなって、魚の名前が変わることを出世に見たてて、俗に「出世魚」といい、この呼び名のことを「成長名」ともいいます。

江戸時代まで、人は成人すると幼名から元服名に改名する習慣がありました。

「出世魚」の話に欠かせない豊臣秀吉のように貧しかった少年期の日吉丸から木下藤吉郎、羽柴秀吉と出世を遂げながら何度も改名し、豊太閤まで登りつめました。

この様な習慣がもとになって、出世魚は縁起が良いものとされ、祝いの膳に供されるようになっていきました。

正月料理に欠かせない縁起魚のことを「正月魚」とか「年取り魚」と呼んで、西日本では塩ブリが、東日本では塩ザケが用いられてきました。このうちブリは代表的な出世魚で、100以上の地方名があるといわれ、その多くが成長名です。

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