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春漁 その1

春漁 その

 

毎度!宮内一郎です!

 

春三月ともなると、日本各地の漁港で、シラスの春漁が解禁されます。

春漁は、春漁のしらすを獲る人、売る人、食べる人、みんなが待ちに待った、やっとの思いを感じる言葉ですね。対して秋漁という言葉からは、さほどの感慨は得られません。そんな春漁という言葉が、広辞苑にも、私の手元にある国語辞典にも、俳句歳時記の季語にもありません。

私の独り善がりかもしれませんね・・・・・

さて、シラスとは、体が透明で細長い、カタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシなどのイワシ類の稚魚の総称です。イワシ類だけでなく、ウナギ類などの仔、稚魚もシラスと呼ばれます。

今回の話は、イワシ類の稚魚です。

 

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イワシ(2010年6月号)

鰯の巻

 

梅雨になると思い起こす魚が沢山あります。伊佐木と言う人、鱧と言う人もいるでしょう。鯒という人も、鮪を扱う方は巻綱の鮪を思い、期待するでしょう。鮎を思い起こす人もいるはずです。私の場合は鰯です。取り扱っている魚の中でも鰯、鯵、鯖、太刀魚など多獲性の“大衆魚”が多かった事に加えて、単価の安さに親しみがあって、一年中、店頭に顔を見せていた魚でもありました。

この鰯、俳句歳時記では、マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシを含めてイワシとして、季語は秋です。色々な魚の書物でも鰯は秋の味覚で、旬は秋としているものが圧倒的に多い様です。私が築地で魚を扱って以来、東京湾を含め、常磐、銚子産の鰯の旬を、梅雨時と信じているのは、鰯に対するお世辞でしょうか。

でも旨いですよ、梅雨時の鰯は。千葉県では銚子、九十九地方では水揚げされた鰯に「入梅イワシ」を名付けて好まれています。ただ、ニューバイイワシより「梅雨イワシ」とした方が良かったのでは、と思うのは私だけでしょうか。

さて、この鰯、1988年には449万トンの漁獲量がありましたが、その後、1年に30万~60万トンの割合で減り続け、1994年には115万トンとピーク時の約4分の1までに減少しました。2005年のTAC(漁獲可能量)は6万トンとまでになりました。鰯漁獲量の激減の理由については、百年周期説とか、大型魚の獲り過ぎ、親魚の獲り過ぎによる産卵量の激減、その他、エルニーニョ現象のような環境に変化による大量死等が仮説として唱えられていますが、「魚種の交替」という学説の論議も今後益々加熱されそうです。

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