チダイの幼魚を「春子」と呼びますが、マダイやキダイの幼魚も「カスゴ」と呼ぶことが多いようです。

このカスゴの立ち上り(少し大きくなったという意味)を三浦海岸の下浦で舟で釣った時、引きの力強さが他の魚とははっきり違っていたことを覚えています。

前にも述べた通り、姿・形・食味どれをとってもマダイと似ており、普通は見分けがつきませんが、チダイは尾鰭の後縁が黒くならず、鰓蓋の縁が赤いことから、市場に仕事を持つ人はみな御存じのことと思います。

これだけ美辞麗句を並べたチダイですが、昔から売れ口の良くない魚でした。お祝い事でもなければ食べてくれないのでしょうか。「鯵より安い」と勧めても「自宅で焼いて食べてくれる人はいないよ」と魚屋さんは膠もない返事。

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