血鯛

今月の「魚の話」は血鯛です。

真鯛の旬は、春と秋の年に2回あるとされていて、産卵期を控えた春先、体色が鮮明な桜色になり、桜の花の咲く頃でもあることから「桜鯛」とか「花見鯛」と呼ばれます。食味の点からも2月後半から4月頃までが春の旬とされます。

チダイの旬は晩春から夏で、マダイの身が痩せている時期と重なるために、この季節にマダイの代わりに使われることも多いのです。とはいうものの、マダイより小型で、大きくなっても40cm位なので、痩せた魚を見たことがないくらい1年を通して旨い魚でもあります。

チダイは姿や形はマダイによく似ています。体色はマダイがどちらかというと沈んだ紅色であるのに対して、派手な紅色です。この色の感じから関東では花鯛といいます。仲間内でも「ハナ」という愛称で呼び合っていましたが。

琉球列島を除く北海道南部以南から朝鮮半島南部まで広い海域に分布しているので、地方名は多い魚です。関西ではエビスダイ、新潟・富山・高知ではコダイ、中国・四国・九州ではチコダイ。

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