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アカニシ②(2008年10月号)

アカニシ②

赤螺の話をした所、早速、中央魚類特殊二課の松井誠君が、9月末の日曜日に、お台場の先で獲ってきたと写真の赤螺を持ってきていただきました。有難うございました。それを見て当店の浦安在住の店員が「浦安には持つ間大きいのがあんのよ」と言ってくれました。赤螺は江戸前の貝でもあったのです。

前号で私の父が”赤螺!”とお客さんに怒鳴っていたとかきましたが、今の市場で”しみったれ!”とか”赤螺!”とかお客様にいおうものなら、あくる日から店を開けられなくなりそうです。

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アカニシ①(2008年9月号)

アカニシ①

皆さん、秋刀魚を食べていただけたでしょうか。私は8月末日をもって六回食べました。いずれも一回で一匹。一回は刺身で、一回は筒切りにして煮物で、あとは塩焼きで。やはり秋刀魚は塩焼きで、焼きたてを、たっぷりの大根おろしで。秋刀魚はこれが一番です。この号が出る9月の下旬から10月にかけて、秋刀魚の脂肪含有量が20%以上になります。この時期の魚が“旬の秋刀魚”で、焼いた時の香ばしい匂いはたまりません。

煮物について一言

3cmの筒切りにして内臓を出し、酢水で下ゆでして、ゆでこぼします。煮汁を煮立てて酢味がとぶまでしっかりと煮ます(私の家では圧力釜を使います)。仕上げにけずりがつおを煎って粉にしてまぶします。旨いですよ。以前から、何度も云うように、旨い、不味いや、好き、嫌いは個人差があって、敢えて押し付ける事はしませんが、大方の賛同を得ていますので参考までに作ってみて下さい。

今回から何回にわけて、築地の今・昔を見比べて、年寄の戯言の様な物を書こうと思います。戯言とは、とりとめのない事と解釈してください。私が築地に入って一番早く教えられた事が三つありました。

一つ 挨拶をする事

二つ 大きな声を出す事

三つ お客様の顔をおぼえる事

私が学校を出て河岸に入った当時は、大勢のお客さん(主に魚屋さん)が市場に見えて、それは賑やかでした。魚屋さんが連れてくる小僧さんにも挨拶をしました。周りのお店の、私より年下の店員さんにも声を掛けました。皆、市場では先輩ですから。「オッス」と返事が返ってきて、うれしかった思い出があります。軒先を借りる事でも「ちょっと借ります」「すみません」の一言で、その場が和らぐはずです。年下の人から年上の人に向って挨拶をするのが常識とされていることも忘れずに。軽く会釈するだけでも市場はもっと明るくなると思います。

二つ目の大きな声を出す事。これには参りました。「大きな声を出せ!」と怒鳴られてもなかなか声がでないんです。この話は長くなりますから次号への続きとさせていただきます。

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